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日々徒然/2021年3月11日


10年前の3月11日。

私は東京の職場にいました。


あの日の午後の大きな揺れ。窓枠がいままでに聞いたことがないような音できしんでいて、デスクの引き出しが次々と開き、ホワイトボートが大きな音をたてて落ちました。

一回目の大きな揺れのあとすぐに、神奈川県に住む両親に電話をしました。その時は話をすることができましたが、それ以降携帯電話は繋がらなくなりました。

そのあとすぐにお得意先から電話がかかってきました。「東京は大丈夫?」その声をいまも忘れることができません。


恐怖で大きく動く心臓を自分の手にもって眺めているような、妙な感覚でした。静かで、深く、重い恐怖感におそわれました。


それから歩いて自宅へ帰るまでにみた、歩道にひたすら連なる人の列や、駅からあふれる人の波。一向にすすまず渋滞し続けている車のすぐ横を、ただただ歩き続けました。


東京にいる私でさえ、こんな状況だったのです。

被災地の方々の「その日」がどのような一日だったのか。私ごときの想像力では察するに余りあります。


少しでも、自分ができることを。

これからも、ずっと。


黙祷。

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